ハイハイで散歩中

面白いと思ったものをただただ紹介したり、またはただの雑記に成り果てそうです。

ハイハイで散歩中

お笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」のハインリッヒ的魅力を語る

f:id:nocafein:20200130063656j:plain

 最近、なにかのきっかけにより、YouTubeでお笑いコンビ「Dr.ハインリッヒ」の動画ばかり観ている。

●「Dr.ハインリッヒ」の簡単な紹介。

2005年結成、吉本所属の女性双子コンビ。

山内幸、双子の妹。主にボケ、ネタ創作者。あとショートヘア。

山内彩、双子の姉。主にツッコミ担当。あとロングヘア。

顕著なエピソードとしては、2016年に開催された「よしもとゴールデンアワー」において、ダウンタウンの松本人志に「将来が期待できる」と称賛される。
また、笑福亭鶴瓶にもラジオで、「待つのも才能やで」と言われ、高評価を受けている。

 

僕が彼女達にハマってしまった要因は判然としない。

2人の醸し出す独特の世界観にやられてしまったのか、双子という特異性に惹かれたのか、その容姿の端麗さにアイドル性を見出してしまったのか、はたまたそれら全てなのか。もしくは単にタイミングの問題なのか。

余談だが、なにかに「ハマる」と自覚できる時というのは、当たり前だがハマったあとででしかありえない。

したがって僕がDr.ハインリッヒにハマった理由は、全て「後付け的」なものでしかなく、「ハマった」と自覚したあとで、あれこれ思いつく要素をただ言語化しているに過ぎない。

「ハマった」と自覚する前は、ただただ夢中にそれらに没頭しているに過ぎず、その最中に「ハマった後の要因」を言語化するのは不可能といえる。

だから、あえてハマった理由を述べるとすれば、「気づいたらハマっていた」となるだろう。

僕がこれから述べるDr.ハインリッヒのいくつかの魅力は、そのような意味で、ハマった本当の理由になりえない可能性がある。

 

僕が先ほどから余談と称してクソの足しにもならない屁理屈をブッかましているのにはそれなりの理由がある。

それは、ハマった理由は分からないが、ハマった「きっかけ」だったらなんとなく察しがついてしまっていて、それを隠蔽するために上記のような詭弁が必要であり、わざわざそのネタバラシを現述しているのも、メタ的ユーモアで少しはその邪な理由がファニーなものに化けてくれないかと願ってのことである。

ここまで前置きを長くしてるのも、以下から述べていくDr.ハインリッヒのいくつかの魅力、そして出だし一発目の魅力点を、先述したファニーなものにしようと企んだ結果のことで、つまり、以下から、「Dr.ハインリッヒ」の魅力を述べていくよー。

 

容姿端麗and知的

 

はい、白状します。先述した、ハマった理由は分からないが、「きっかけ」だったらなんとなく察しがついている、といったその「なんとなく」の正体がこれです。

見た目が良き。

僕がDr.ハインリッヒを初めて見たのは、恐らく2012年の大会「THE MANZAI」の、認定漫才師に選ばれた漫才師達がネタをお披露目するために出演していた深夜番組だったと思う。

その時、えらい美人の2人が、えらいシュールな漫才をやってるな、と思ったのを覚えている。

本当に申し訳ないのだが、僕はそれまで、美人だな、と思う女性芸人を見たことがなかった。

だからまず、それが衝撃だった。

そして次の衝撃は、その美人の女性芸人が、とても尖ったシュールな発想の漫才をやっていることだった。

その時の漫才の内容は忘れてしまったが、僕が好きな感じのシュールさであり、ただシュールなだけでなく、そこに「知的さ」が乗っていたことが僕の心を惹いた要因であるように思う。

その知的さは、ネタの内容だけではなく、「黒スーツ」という服装からも表れている。

まさに「独特の世界観」という言葉が相応しい格好をしている。

そして、知的さと、アーティスティックな雰囲気を纏った見た目の印象が、ネタの内容と違和感なくマッチしているので、「あ、この人達は本物だな」と、説得力を持った存在に仕上げている。

つまり、彼女達の存在そのものが、独特の魅力を放っているということだ。

 

日常会話のような心地よさ

 


ネタのジャンルとしては、天竺鼠などに見られるシュールなものだと思うが、僕はあまり天竺鼠が好みではない。

漫画やアニメなど、シュールなものは個人的に好きな筈なのだが、芸人、特に男性芸人がやるシュールさはあまり好きになれない。

それはなぜかと考えたのだが、恐らく、男性がやるシュールさは、「あ、こいつ明らかにやりにいってるな。明らかにシュールさを演出したいんだな」と、同性の目線から見るとなんとなく察しがついてしまって、これから起こるワクワク感だとか、「こいつらすげー」という圧倒的な自分との距離感だとかを抱くことが困難であることが原因ではないかと思う。

それでいくと、異性の、僕で言えば女性のシュールさには、どこか手の届くことができない、絶対その領域には到達することができない、そのような圧倒的感覚を抱いてしまう(到達できない領域を実感した時に、僕は、「こいつらすげえ」とか、「こいつら面白ぇ」と思ってしまう)。

というか、シュールということにこだわらなくとも、素人の女性同士の、なんてことのない会話でさえ、僕には時に面白く思えてしまうことがある。

例えば、これは友人から聞いた話だが、その友人が電車に乗っていると、たまたまそこに居合わせた若い女の子2人組の会話で、

「『代官山駅』に降りたら、代官山という『山』を登ることが義務付けられているんだよ」

「まじで?うち登山靴持ってきてないんだけど」

「あ、うちも忘れた。でも駅で多分買えるから大丈夫だよ」

「あぶねー」

という会話が聞こえてきたそうだ(この話しが本当かどうかはここでは問題でなく、単なる例として挙げているだけなので、あまり深掘りしないでください)。

この話しを、彼女達が仮にわざとコントを演じて言っていたとしても、重要なのは、「男性の僕には至極真面目に言っている風に見えてしまう」ということだ。

そして、これも重要なことだが、厄介なことに、それを「『女性的な可愛らしさ(天然性)』という性質を含んだ、『シュール的面白さ』と捉えてしまう」ということなのだ。

男性は、女性を見る時、そのようなフィルターを通してしか、女性を認識できないのではないかと僕は思っている(男性なら共感してもらえそうな気がするが、もしかして僕だけが感じているものかもしれない)。

だから、常々僕は、女性のそのような言動に出会った時、「ずるいなー」と思ってしまう。

と同時に、やはり僕はそのような言動が好きなのも確かである。

 

話しが逸れてしまったが、Dr.ハインリッヒの漫才も、シュールな内容なのに、どこか、「女性同士の日常会話」という雰囲気を感じさせる。

その要因の1つとして挙げられるのが、幸さんのボケに対して、ツッコミの彩さんが、決して否定せずに、そのボケに乗っかって最後まで話しを聞き続けている、ということがあると思う。 

ボケに対して明らかにツッコんでしまうと、途端に漫才感というか、漫才してますよ感が出て、わざとらしくなってしまう。

そして、これは僕の偏見かもしれないが、たいていの女性芸人のツッコミは、よりそれがわざとらしく見えてしまい、漫才自体をチープなものにしてしまっているように思う。

その点ハインリッヒの漫才は、ツッコまないことで日常会話感を出し、いつまでも聴いてられるような心地の良い空間を演出しているように思う。

心地の良い空間で思い出したが、ハインリッヒの漫才は、どこか文章的というか、小説を読んでいるような感覚にもなる。

僕は文章的なユーモアが好きなので、それも惹きこまれてしまう要因になっていると思う。

また、これはハインリッヒの圧倒的なアドバンテージになってると思うが、彼女達が、姉妹・双子であるということも、より漫才の掛け合いを自然なものにし、日常会話感を演出しているように思う。

漫才には、この日常会話感が非常に重要だと思うし、僕が漫才において好きな要素でもあるので、その要素を感じるハインリッヒに惹かれているのかもしれない。

 

フリートークの面白さ

 

 

彼女達は定期的に、「ディアロークハインリッヒ」というフリートークライブを開催している(こちらもYouTubeで観ることができる)。

僕は漫才よりも、こちらのフリートークライブの方が好きだったりする。

恐らく、より「女性同士の会話感」が見られるからだと思う。

そもそも僕は芸人の、または芸人に限らなくてもいいのだが、「フリートーク」というものが好きだ。

例えば、ラジオだったら、リスナーが参加するコーナーより、パーソナリティのフリートークが好きだったりするし、TV番組だったら、例えば「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」は、様々な企画より、ダウンタウン2人のフリートークの方が楽しみだったりする。

なんというか、フリートークは嘘臭くないのだ。

よりその人の自然さが垣間見れるというか、恐らく、「人間味」が出るから好きなんだと思う。

だから、ハインリッヒのフリートークも好きなのだ。

そして、ハインリッヒは、そのフリートークで、ふざけたことも言うが、突然真面目なことも語り出す。フェミニズムだったり、人生観だったり、波動だったり。

僕はそのような真面目に語る姿勢も好きだし、知的さあふれるトークだったり、最終的にユーモアで包む感じも好きである。

そのライブ空間は、今度はいったい彼女達の口からどのような言葉、エピソードが飛び出すか、とても楽しみな場所となっている。

そのような場所を作れる彼女達は、とても強いと思う。

 

最後に

 

彼女達はとてもエネルギーがあり、強いと思うし、人を惹きつける魅力があると思う。

ダウンタウンやとんねるずなど、高みに行ける人というのは、そのような「強さ」を持っていると思う。その「強さ」は、説得力を見ている人々に与え、そして納得させる。

僕は彼女達に納得している。

だから、もしかしたら、彼女達は、ダウンタウンやとんねるずのような、高みに行ける存在なのではないかと密かに思っている。

でもそのためには、なんらかの目に見える分かりやすい結果を残す必要があると思うので、今年がラストイヤーのM-1グランプリで、なんらかの活躍を見せてほしくもある。

あと、個人的にはラジオをやってほしいです。

無茶苦茶おもろーな番組になる気がします。

 

長々偉そうにすみませんでした。

Dr.ハインリッヒ、面白いし、魅力的なので、是非見てみてください。

ありがとうございました。