ハイハイで散歩中

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孤高のカルト芸人・永野の魂の叫び、エモーショナルなラジオ「デドコロ」が面白い

オルタナティブ


僕は芸人の永野さんが好きで、色々永野さん関連の動画や音声コンテンツを見まくったり聴きまくったりしています。

中でもラジオに出演している時の永野さんが僕的にツボで、ナイツさんが担当している時の「ザ・ラジオショー」や、田中みな実さんの「あったかタイム」にゲストで出た時の暴れっぷりったら最高です。

そして特に今回紹介したいのが、「芸人お試しラジオ『デドコロ』」です。

「デドコロ」は、お笑い芸人が、2ヶ月間毎(週に1回で全9週)にパーソナリティを交代していくラジオで、Podcast(ポッドキャスト)や、Spotify(スポティファイ)なんかで聴くと、過去のアーカイブも含めて全て無料で聴くことができます(というか、通常のラジオ放送は地方の放送局しかネットしてないみたいなので、僕はこの方法でしか聴くことができません)。

そして永野さんは、今までに3回「デドコロ」に呼ばれています(連続ドラマやアニメのように、それぞれをシーズン1、シーズン2、シーズン3と呼んでいます)。

それぞれのシーズンは、現状の永野さんの精神状態を現しているようで、どの回もそれぞれに面白く、そしてエモーショナルです。

そう、僕が永野さん回の「デドコロ」を聴いていて特に感じるのが、エモ!ということです。

もちろん永野さん節といいますか、毒舌や不平不満の吐露や、はまたま本質を突いた分析も平常運転で面白いのですが、それに加えて「エモい」と言いたくなってしまうのは、ご自身の生い立ちや、売れていない時の苦悩、そして現状の苦悩を、純度混じりっ気なしの剥き出しの鮮度というか温度で話しているように感じられるからです。あとそれと、この人本当にヤバい人なんじゃないかと思わせる狂気性も少し感じるところがミソですね。

 

僕が特にエモーショナルだと感じた回は、第1シーズンの第8回目、「信じれるべき存在」という回です。

open.spotify.com


人間は本当に信じられる人は、極限状態に一緒にいた人だ、と永野さんは語ります。

永野さんに限って言えば、それは事務所のグレープカンパニーでもなく、先輩でもなく、ラジオのリスナーでもなく、信じられる人は、「地元の高校の同級生1人」と、UKロックバンドの「マニックストリートプリーチャーズ」だ、ということです。

永野さんは売れていない時代に、仲の良かった中学の同級生達と段々と疎遠になったそうです。それは、中学までお坊ちゃん学校に通っていた永野さんの友達は、皆いい暮らしをしており、肩身がせまくなってしまい、また、売れてから数回会ったものの、色々気遣いをされてやはりしんどかったみたいです。その点、高校の同級生は、売れてない時代もプライベートで会っていてその時代の永野さんを知っており、また、売れてからも全く態度を変えずに接してくれたそうで、素の状態で今でも会えるそうです。

そして面白いのが、今だに昔と変わらず地元でその同級生と会った時は、ブックオフに行ってCDやDVDを見て回るのだそう。そしてこの間帰省した時は、5件ブックオフをハシゴした後、夜になったので実家のご飯を食べるためその場で別れたそうです。むちゃくちゃ良いエピソードですよね。

そして、「マニックス」の方ですが、こちらは売れていない時代に、「A Design for Life」の歌詞を聴いて、これは自分のことだ!と思いぶっ刺さったそうです。


「お前は図書館で得た知識で権力や報酬を得ている。愛を語る暇があるなら俺は酒を呑んでぶっ飛んでいたい。俺には逃げ場所がないからこれが永遠に続く、これが人生設計」


というような歌詞だそうです。

こういう極限状態の時に支えになってくれたものが、今でも心の支えになっていて、そして信用できるのだとエモく語っています。

僕が今文章で書いていてもエモさは伝わらないと思うので、ぜひともラジオで直接聴いてほしいです。

その他にもたくさんエモくて面白いエピソード回満載です。

昨今のアイドルとファンの関係性への懐疑だったり、オフ会という現象、音楽や映画ばかり浴びていると鬱になる、売れてない頃の病、パリピの方が結局人生楽しい、結婚式はつまらない、等々、本当にむちゃくちゃ面白いです。

また、リスナーからの悩み相談的なメールに対してとても真摯に向き合ってるのも熱かったです。

ただ残念なのは、アーカイブ放送で聴くと、永野さんが選曲する楽曲が省略されてしまうことです。話の流れで聴くから、より一層刺さるということがあると思います。でも恐らく色々難しいのでしょうから仕方のないことですが。


正直ラジオを聴いていて、永野さんは嫌がるでしょうが、オードリーの若林さんのようなゲームチェンジャー的カリスマ性を感じました。

年末年始の令和ロマンの番組や、東野さんのYouTubeで、これからのお笑い界を席巻するんじゃないかと言われていて、僕もそう疑わないです。

ただ個人的には、もうお笑い界とか芸能界とかそういう括りも古いのでは、と思ってしまっている自分がいるというか、というかもう自分があまりそういうものに関心がなくなっているのが本心かもしれません。

なんにせよ、永野さんが席巻するにせよ、そうならないにせよ、いきなり引退してしまうにせよ、このラジオは定期的にやってほしいと思いました。

まだ聴いてない人はぜひとも一聴してほしいです。

自問自答を重ねてきた人の言葉のパンチは重く、熱を帯び、エモーショナルを感じると思います。

それでは!