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ザ・バグルス「ラジオ・スターの悲劇」むっちゃええやん-ポップソングは哀愁を運んでくる-


最近、ひょんなことから「THE BUGGLES(ザ・バグルス)」というアーティストグループを知って、そして、バグルスの最も有名な楽曲『ラジオ・スターの悲劇』を聴いたら、「あ、この曲かー。どこかしらで聴いたことあるなー。」となって、でもちゃんと聴いたことなかったので最後まで聴き終えたら、「むっちゃええやん!」となりました。

「バグルス」は、1977年に、トレヴァー・ホーン、ジェフ・ダウンズ、ブルース・ウーリィの3人によって結成された、UKのエレクトロ・ポップユニットです。
しかし程なくブルース・ウーリィが脱退、そして79年にデビュー曲『ラジオ・スターの悲劇』が大ヒット。その後、アルバム2枚を出して活動停止。
しかし、2011年に再結成し、一夜限りのライブを披露しているとのこと。

また、トレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズの2人は揃ってプログレバンドの「イエス」に加入していた時期もあり(80年発表のアルバム『ドラマ』期)、そしてホーンは、83年のポップ路線期のイエスのアルバム『ロンリーハート』のプロデューサーも務めています。
僕は「イエス」のアルバムに関しては、全盛期と言われているプログレ節の強い4枚目の『こわれもの』、5枚目の『危機』、そしてテクニカルを全面に押し出した7枚目の『リレイヤー』なんかが好きなんですが、このホーンがプロデュースした80年代のポップ路線の『ロンリーハート』もなかなか好きです。
今まであんまりプロデューサーとか意識してなかったので、ホーンが手掛けているなんて知らなかったんですが、『ラジオ・スターの悲劇』を知ったあと聴きかえすと、やはり流石だなホーンは!なんて軽薄なことを思ってしまっています。

「バグルス」自体の活動はあまり長くは続かなかったようですが、ホーンはプローデューサーに、ダウンズは、スーパー・アーティストグループ「エイジア」に在籍し、それぞれ活躍の場を広げています。


さて、このバグルスの『ラジオ・スターの悲劇』、むちゃくちゃエレクトロ・ポップしています。
イントロのピアノ勢の音色で、しおらしく始まったかと思いきや、ホーンの加工された陽気な、しかしどことなくシニカルな歌声の導入でポップソングの幕開けを感じます。
そしてその後、女性の「Oh-a、Oh-a」という小気味良く愛らしい、陽気な(というか少しバカっぽい)コーラスの合いの手。一気にうぉっ、と心掴まれます。
そして女性陣によるご機嫌なポップ調のサビ。その刹那、ホーンの一段落ち着いた歌声。この塩梅が絶妙に哀愁あってなおかつポップ。ポップというのは少し哀愁が入っているからいいのでは、と思う今日この頃です。

また、サビ終わりのまたまた女性陣による「Oh、Oh、Oh、Oh、Oh~」という合いの手が殊更良い。序盤に出てきた「オーア、オーア」よりも「オ~、オ、オ、オ、オ~」の方が艶っぽさを伴ってて僕はこっちの「オ~オ~」の方が好きです。オ~オ~好きにはたまらないオ~オ~になってると思います。よく分かりませんね。

そして一気に飛びますが、何気にアウトロも好きです。ストリングス的な音色がまたまた哀愁を漂わせてフェードアウト。極上のポップソングとして幕を閉じます。

哀愁哀愁言うてますが、歌詞も哀愁を感じさせてくれています(まあ、あんまり理解できているとは言えないんですが)。

「ビデオがラジオスターを殺した」

タイトルからも察せられるように、時代の移り変わりの虚しさを表していると言えます。
だけどもこの歌詞をポップソングとして昇華しているのが皮肉的でユーモアがあり、これまたイカシていますね。

あと余談ですが、僕は、「この曲良いな」、と思ったら反射的に、はたしてこの楽曲は映画やアニメの主題歌に合うだろうか、そして映画だったらエンドロールを想像して、アニメだったらオープニングかエンディングかどちらに合うかを想像したりします。
このバグルスは、アニメだったらエンディング主題歌だな、と思いました。
なんとなくポップな楽曲ほどエンディング主題歌に向いてるなと思うんですよね。なぜなら再三言ってますが、ポップソングは哀愁を連れてくるからです。物事の終わりは、物悲しいですからね。どうでもいい余談でしたね。

また『ラジオ・スターの悲劇』が収録されている、「The Age of Plastic(ラジオ・スターの悲劇)」のアルバムは、その他にも魅力的な楽曲が満載です。自分的には日本の80年代アニメの主題歌に通じるものがあると思っていて、聴いていてどこか懐かしくさせられました。
2ndアルバムの「モダン・レコーディングの冒険」は残念ながらサブスクに来てないので、まだ聴けてません。ネットで買ってしまおうか迷っています。

 

さて、『ラジオ・スターの悲劇』、まだ聴いてない方はぜひ聴いてみてほしい1曲です。聴くと元気が出てポップな気分にさせられると思います。

それでは!